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始終/鏡
2008年 11月 22日 (土) 20:55 | 編集
外に出た。
よく晴れていて雲はない。
もう11月の中頃なのに日がよく出ているおかげで日向は暖かい。

大きく伸びて仰向けに空を見たら飛行機が静かに飛んでいた。
白く、白く、羽ばたきもせずに真っ直ぐ。
飛行機雲はない。

行ってしまう、そう思ったときには既に走り出し、
空のそれを追いかけていた。

どこまで行っても縮まることのない距離。
空は遠く、それはさらに遠かった。
それでも追いかける。

近くの公園を過ぎ、駅を過ぎ、
線路を越えて、ただ上だけを見て走る。

それでも容赦なくそれとの距離は開いていく。
まだ、まだだ、まだ届く。
そう思っていても目も前に広がる空はあまりにも青く、
それの白さはどんどん小さくなり、
上がっていく息とは反対に、
次第に失せていく。

ついに最後のそれを見、
次の瞬間には見失ってしまったとき、
やはり無理なのか、届かないのか、
望むことなんて意味のないことなのか。

スピードは落ちていく、
願っていてもどんどん落ちていく。

「世界初は誰もやったことがないから前例がないのは当たり前」
そうだ、当たり前だ。
「前人未到へ至る道は、至らなければない」
今たどっているこの道はその頂へと通じる道。
今走っている道はその頂へと通じない道。
そのどちらでもある。
あきらめたら終わりなんだ。
それは終わらない。
終わりなんてないから。
終わるのはいつだって自身なんだ。

そう思った時、
見失ったそれから、
白く、すっと二本の軌跡が描かれる。
まだ、失ってはいない。
それはそこにある。

再び走り出す。
さっきよりもずっと速く、力強く。

白い平行線はどこまでも真っ直ぐ続いている。
それは、何を意味している?
交わることのない二本の奇跡。
そうか、そうだよね。

それを左手に見るようにして私は道を曲がった。
さっきよりもずっとよくそれが見えるような気がした。
誰もなしたことがないなら、
誰かの後についていくなんてナンセンスだ。
自らを信じて進めばいい、それしか道はないだろう?
どうしてこんな単純なことにいまさら納得しているんだろう。

交わらない線はさっきよりも長くなっていく、
そうだ、たとえ道は違っていても、
同じところを目指しているなら、
それはずっとそばにいるということだ。
独りではない。
一人で進むだけだ。
私にしか選べない道を、私自身で。

前を向く、上を見る。
さっきよりも青色が深い。
手招きしているようだ。
さあ、進もう。
これが私の道なんだ。

すっと息を吐き、視線を前へと戻す。
そのとき目の前一面に広がったのは、
目指す場所でもなく、
夢見た黄色の大地でも、
願った緑の大地でも、
欲した青い大地でも、
漂うような赤い大地もなく、

ただ、鈍い光を放つ人工物と、
それが複雑に組み合わされて描き出された模様、
響くノイズ、
息苦しい空気と、
心地よい振動、その鼓動。
甲高い、悲鳴のようなファンファーレ。

痛みを感じるまでもなく、
理解した。

「この道はそれに通じる道」
「この道はそれに通じない道」
そうか、
この道は・・・・・・



二本のキセキは風に流されて、
緩やかに波打つように、
広がり、
混じっていく。
螺旋のように、
ねじれて、もつれて次第に一つになって、
もうそれが元は別の雲だったなんてことは、
誰にもわからない。
その最初を見たもの以外は。

だから、
誰もそれが二つの真っ直ぐな線だったなんて、
永遠にわからない。

やがて、薄くピンク色に染まっていく。
次第に濃く鮮やかに、
青と同化し、
色を変え、
どんどん混ざって、
色の見えない世界となる。



不思議だね、
もう感じることのない意識で聞いた。
始まりと終わりは、
こんなにもよく似ている・・・・・・
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